僕の初恋をキミに捧ぐ 終

ドラマの楽しさ教えます

 このドラマの始まりは、心臓病で苦しむ垣野内逞(野村正平)が18歳の誕生日に、半分冗談で笑顔で遺影を撮るシーンから始まった。この時の逞の真意はドラマを見てよくわかった。初恋相手の種田繭(桜井日奈子)と幸せな暮らしをしたい逞の願いは叶うのか。

【照は逝き、繭は昴と】

 逞は繭に自分の気持ちを伝える前に、照に自分の気持ちを話すため、病院へ向かう。照は逞が何を言おうとしているのか分かっていたが、その言葉を聞く前に、心臓の病気が悪化して、そのまま帰らぬ人となった。逞は照を見届けてから、約束していた繭が待つ高台へ向かったが、そこでは繭と先輩の鈴谷昴(宮澤氷魚)が雨の中、抱き合っていた。逞はその間に入れない。逞は呆然と見届けるだけだった。そして、そこから繭と昴の不自然な付き合いが始まった。ただ、逞と同じ病気の照の死は逞と母親(石田ひかり)、父親(児島一哉)にとっては、大きなショックだった。

【運命を変えたドライブ】

 繭は昴と付き合っているが一線を越えていない。時が流れ、昴と昴を好きな五十嵐優美(松井愛莉)は高校を卒業した。昴は繭をドライブに誘う。しかし、そのドライブで事故が発生し、昴と繭は病院へ運ばれた。それを聞いた逞は、繭に何かあったら、と心配一色となって、病院へ急ぐ。病院につくと繭が無事だったことを確認し一安心、そして、繭に自分の気持ちを伝えた。「繭が好きだ」。その後、退院し、繭は昴と別れ、繭と逞はようやく、付き合うこととなった。学園祭に訪れた昴は逞に繭の事を幸せにするようにと、言葉を贈った。

【スキー旅行】

 心臓が悪い逞にとって普通の生活をすることは当たり前ではない。逞は小さいころから体育の授業ではいつも見学。でも、今回、どうしても学校のスキー旅行には行きたくなった。大好きな繭と一緒にいたい。そこで、逞は病院の種田穣(生瀬勝彦)医師や、親と相談して、スキー旅行参加が決まった。

 このスキー旅行で、逞は昼間、繭たちの楽しそうな笑顔を見ているだけ、たまたまその場にいた子供たちと雪だるまを作るだけ。だが、その夜、逞と繭が雪が積もる宿の外で、星空を見てキスをするのだった。

【昴の脳死】

 昴は優実と付き合い始めた。優実は幸せを手に入れた。それは短すぎた。ある日突然、昴が道端で倒れた。原因はドライブ事故の際の後遺症による脳内出血。医者からいきなり、脳死と告げられた。一瞬の出来事だった。そして、心臓移植を希望する逞への心臓提供者(ドナー)が現れた。ドナーの名前は秘密だが、同じ病院に入院しているので、明らかに昴の心臓が逞に移植されることが逞の家族と繭、昴の家族と優実にもわかる。

(昴が突然倒れ落ちる)

【逞の選択】

 昴は脳死だが、息をするし、体も暖かい、目覚める可能性がほぼないのだが、死んでいるようには見えない。そこで、逞が選んだ道は心臓移植を辞め、リスクはあるが心臓手術に踏み込むこと。両親は反対するが、心臓手術を決意した前夜、逞と繭は結ばれていた。繭は逞の意思を尊重することを決めた。そして、逞は手術前に繭との結婚を、互いの両親に懇願する。異論はあったものの、その願いは受け入れられた。そして、逞と繭は病院で友人、両親、昴たちに祝福されて、結婚したのだった。

(結婚式)

【幸せをつかめるのか】

 結婚式も終わり、逞は手術を受けることとなる。逞は繭と一緒に高校を卒業し、たくさんのやりたいことがある。手術は無事成功するのか。最後、春の気配がする校舎の上で座っている繭を呼ぶ逞の声がしたが、逞の姿は映っていない。繭が振り向いたところで物語は終了となった。

(逞の声に振り向く繭)

【ドラマを見終えて】

 見事な初恋物語。病気を抱える逞と逞を支える繭。2人の初恋が綺麗に描かれている。前半は2人の恋が病の壁で隔てられ、逞と繭が苦しんでいた。後半は逞と繭がともに逞の病気と闘い、繭の気持ちに応えようとする逞の前向きな心に感動した。

 はじめは軽い人間かと思われた昴が、突然倒れて、ドナー登録までしていてかなりのイメージアップ。そして、児島一哉がとてもいい父親(垣野内寛貴)役を演じていることに驚き。特に児島一哉は、逞の結婚の決意を最大限に後押しし、反対する母親(垣野内えみ、石田ひかり)の説得もする。逞にとってはとてもいい父親。

 ドラマの展開では何よりも、心臓移植を辞めて、心臓手術に挑んだ逞の選択に一番驚いた。そして、手術は成功したのか?これは、見る側が決めるパターン。私的には無事成功で、2人夫婦仲良く、高校を卒業したと考えたい。

 この初恋物語にはハッピーエンドを願いたい。繭のひたむきに逞を愛する気持ちに心打たれた私だった。

 

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