エドワード・プランケット・テイラー -17話-

競走馬の足跡~世界の競馬~
競走馬の足跡

 エドワード・プランケット・テイラーはフェデリコ・テシオと並ぶ世界的名馬を生み出した馬産家である。テシオは競馬傍流国のイタリアで名馬ネアルコを誕生させたが、テイラーも同じく競馬傍流国のカナダで名馬ノーザンダンサーを生み出した。ノーザンダンサーについては後にして、今回はテイラーについて説明しよう。

 テイラーはカナダの裕福な家庭に生まれ、経営不振にあえぐ地ビール醸造所をつぎつぎに買収し、大企業「カナディアン・ブリュワリー社」に再生させた。さらに、第二次世界大戦では軍事物資供給で、財を成し、戦後、カナダの大物財界人となった。そして、政界とも交流を深め、文化、学術面の資金援助にも尽力した。

 テイラーとテシオはよく比較されるが、最も違うのが、この財力である。テイラーはカナダの馬産レベルの向上に取り組んだ。テシオは仕方なく(資金不足)、イタリア産馬で馬産を行ったが、テイラーは自国のためにカナダ産馬の馬産を行ったのである。理由は大きく違うが、結果として、イギリスから離れた地域で雑種血統を使うことになったことは二人の共通点である。

 この雑種血統とイギリスの血統が混ざり合って、ネアルコやノーザンダンサーが誕生している。競走馬の歴史はイギリスを中心に語られるが、イギリス人は自国の馬に誇りを持っていたために、他国の血統を認めず、イギリス産馬での馬産を続けたが、これがイギリスの馬産衰退につながり、アメリカ、フランスに追い抜かれることとなる。

 テイラーは自国愛と財力により、急速に馬産家として成長した。そして、1961年ノーザンダンサーを生み出し、その名を不動のものとした。

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